香木
特定品種の天然樹木が、極めて稀な条件下で、香木として熟成します。
香木には、品種や産地ごとに香りの特色があります。この香りの違いを感じ取り、品種を聞き分けることは自然な楽しみです。ワインのティステイングのように。
(銘 雲龍 香道 翠風流 家元蔵)
香木は6種類に大別され、これを「六国」(りっこく)と呼びます。
略称に一、二、三の漢数字を用います。
キャラ | 伽羅 | 一 | ベトナム中部高原産、最上級品 |
ラコク | 羅国 | 二 | |
マナバン | 真那蛮 | 三 | |
マナカ | 真那賀 | ウ | |
サソラ | 佐曽羅 | 花一 | 白檀他、インド西部産等 |
スモンダラ | 寸門多羅 | 花二 | スマトラ産 |
漢字は発音の当て字です。
和歌との出会い
香道は、単なる香りの種類当てゲームではありません。
室町時代後期東山文化の中で、和歌の主題に着目し、これを香木の香りの種類の組み合わせ(組香)によって表現する試みがなされました。和歌との出会いによって、香道がこの時に誕生したのです。
茶道、華道とともに日本の伝統文化として定着しました。
香道とは
香道の本質は、和歌の主題や視点を、組香(香木の香りの組み合わせ)によって表現することにあります。
香りへの関心と、和歌の理解、いずれからも香道への扉が開かれています。